測樹の道具(3種の神器+α)
木の測り方、知ってますか?
● 「測樹」って?
立っている木の量(立木材積)を知りたい時、その木の「直径」と「高さ」から計算式を使って推定します。このように、木を測ることを「測樹」といいます。
通常、一度の調査でできるだけ効率的に多くの木を計測する必要があることから、測樹には専用の道具を利用します。
● 直径を測る道具(3種の神器①)
木の直径は、日本では普通地面から1.2mか1.3mの位置(胸高位置)で測ります。
計測は、目的とする利用方法に合わせて道具を選択します。
林業の現場では、通常2cm単位で木の直径を計測するため、「輪尺」(りんじゃく)と呼ばれる大きなノギスのような道具を利用します。
輪尺
また、木の肥大生長をより詳細に調査する場合には、mm単位で計測するため、「直径巻尺」と呼ばれる特殊な巻尺を利用します。
※ 表側が通常のmm単位の目盛りで、裏面は外周を円周率で割った値(直径)が分かる目盛りとなっています。
直径巻尺
なお、計測位置(胸高位置)が正確に瞬時に分かる様、20cm単位で紅白の色が交互につけられている「赤白ポール」を利用します。
赤白ポール
● 高さを測る道具(3種の神器②)
木の高さは、現在、音波やレーザを利用して計測するのが一般的です。
音波を使った計測機器としてよく利用されている「バーテックス」は、音波の反射時間と三角関数を利用して木の高さを測る機器です。
バーテックス(左:測定器、右:トランスポンダー(応答器))
また、同様の原理で、レーザを利用して木の高さを測る機器に「トゥルーパルス」があります。
トゥルーパルス
なお、樹高が10~15m以下のものでは、「測桿(そっかん)」という長い竿のような道具を利用して木の高さを測ります。
測桿
● 新しい道具(+α)
近年、林業界におけるICTの発展により、立木材積を直径、樹高から推定するのではなく、「直接測る」ことが可能になってきています。
(参考:「森林情報を取得する新しい技術」、「地上レーザで森林を測る」)
森林管理の基本である「測樹」の基本を押さえた上で、発展的な情報活用を進めて行きましょう!