森林クラウドの歩みとこれから(最終回?)
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● 森林計画制度を取り巻く状況の変化
●森林経営計画制度の開始から林地台帳制度の創設(平成24年度~平成28年度)
森林経営計画制度の開始により、集約化と路網整備など効率的な林業経営が一層推進されることとなりました。
また、集約化において重要な所有者情報に繋がる地番の入手が課題となっていた中で、平成28年度には林地台帳制度が創設され、市町村が地番と林小班をあわせて管理することとなりました。
●林業成長産業化地域の選定から新たな森林管理システムへ(平成29年度~)
平成29年度には、地域の特色を活かした林業活性化を目指す16の林業成長産業化地域が選定されました。さらに、市町村が中心となって「新たな森林管理システム」を実行していくため、平成36年度からは、森林環境税が創設 されます(「いよいよ始まる、森林環境税」)。
この5年間は、全国的な育林・保護方針から、地域ベースでの積極的な利用・監視方針への転換が図られた変革期だったのではないでしょうか。
● 森林クラウド・標準仕様の導入
森林クラウド実証事業や標準化事業等による普及活動によって、都道府県や市町村を中心に森林クラウドや標準仕様の導入が進んできました。
平成30年2月23日の時点で、計67もの都道府県・市町村が森林クラウドの導入・活用を進めています。
特に、都道府県-市町村間の情報共有が不可欠な林地台帳の整備・運用業務が、森林クラウド導入への追い風になったようです。
● 今後の森林クラウドは?
このような林業の変革期において、森林管理を混乱無く着実に進めていくためには、新たな制度等に合わせてスピーディに対応していく柔軟性が求められます。
制度の新設や改正等の度に、都度、個別に「受動的」に対応しなければいけない従来のシステムと違い、森林クラウドは、時代の流れに応じて、サービス自身が「能動的」に形を変えていくシステムです。
新しい仕組みの導入には、業務の再構築や他部署・他主体との調整、ルールの作成等、様々な困難が伴います。しかし、続々と増えている導入事例を参考にすれば、ハードルはぐっと下がるでしょう。