センチ単位の位置情報!?
準天頂衛星システム「みちびき」の本格運用がついにはじまります!
● 準天頂衛星システム「みちびき」って?
「みちびき」とは、準天頂軌道 の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムのことです。
現在、位置情報を取得するサービスとして一般的に利用されているGPS(アメリカが開発した測位システム)は、日本から受信可能な衛星数が少ないこと等の理由から、都市部のビルの間や山間部では測位ができなかったり、大きな誤差が生じたりすることがあります。
日本のほぼ真上(準天頂)を長時間通る軌道を取る人工衛星「みちびき」の信号とGPSからの信号と組み合わせることで、これまで測位が難しかった場所においても高精度で安定した位置情報の取得が可能となります。
● 4機体制になると何が変わるのか?
「準天頂衛星でGPS測位精度アップ!」(2015.9.25) から2年、2017年10月10日に、ついにみちびき4号機が打ち上げられました。
測位精度を向上させ、測位結果を安定させるためには、常に8機の人工衛星の信号を受信することが必要とされています。
みちびきが4機体制になると、GPS衛星からの信号と合わせて8機以上からの信号が受信できるようになることから、従来よりも高い精度の位置情報を安定して取得することが可能となります。なお、4機体制によるサービスの運用開始は、2018年度を予定しています。
一方で、4機体制であっても、山間部等ではいくつかの衛星からの信号が受信できないことから、2023年度をめどに7機体制まで整備することを目指しています。
また、4機体制での運用開始を予定している2018年度から、現在位置をセンチメートル単位で取得するための補強信号を提供する「センチメータ級測位補強サービス 」も始まる予定です。
● 林業ICT化の急速な進展につながるか?
4機体制となったみちびきと、センチメータ級測位補強サービスにより、特に自動運転技術や農業分野での活用が期待されています。林業機械の自動運転化等の実用化については、7機体制となる2023年度以降になるかもしれませんが、航空レーザ測量で得られた単木情報と組み合わせて利用する等、みちびきによる高精度な位置情報の利用価値は未知数です。
みちびきから提供される高精度な位置情報を利用したサービスに期待していきましょう!
<参考>