ドローンによる空中写真の利用
ドローンが拓く新しい森林管理!
● ドローン(UAV)による空中写真ってなに?
ドローン(UAV:無人航空機)の活用例として、空中写真の利用が挙げられます (新技術の可能性 ~UAV(無人航空機)~)。
最近のドローンのいくつかは、高性能な電子ジンバルを備えることで、動画、静止画ともにブレの少ない画像をとる事が可能になっています。また、自動飛行により、適切なオーバーラップ、サイドラップを持った空中写真の撮影も可能になってきました。
ドローンで撮影した空中写真を利用することで、かつては作成が難しかったオルソ画像や3Dモデル等を手軽に作成できるようになりました。
● ドローンによる空中写真のメリット
これまでの航空機による空中写真と比較して、ドローンによる空中写真には以下のような利点があります。
- 機材の購入を含めても、かなり安価な撮影が可能
- 解像度が高い
- 撮影したい時に撮影可能(※ただし、一度のフライトで飛べる範囲や時間が限られるため、広い面積の撮影は難しい(~4 ha程度)
● オルソ画像等を簡単に作ることができるようになった理由と利活用方法
SfM-MVS(Structure from Motion / Multi-View Stereo)技術の普及が進んだことで、動画や静止画からカメラの撮影位置を推定し、3Dモデルやオルソ画像を作成することが可能になりました。
以下に、作成できるいくつかの画像やモデルの特徴を示します。
- 3Dモデル
3Dモデルを作成することで、全ての方向から状況を確認することができるため、林分状況を把握し、施業計画を立てるのにもってこいです。
皆伐施業前(3Dモデル)
皆伐施業後(3Dモデル)
- オルソ画像
3Dモデルができることで、すべての物体を水平面に投影した状態であるオルソ画像を作ることができます。オルソ画像により、GISで距離や面積といった、二次元の計測を行うことが可能になります。
皆伐施業前(オルソ)
皆伐施業後(オルソ)
- デジタル表層モデル(Digital Surface Model, DSM)
GISユーザーにとって馴染み深い、数値地形モデル(Digital Terrain Model, DTMもしくはDEM)は、地表の凹凸を表すものですが、作成された3Dモデルから樹冠の凹凸を高精度で再現したDSMを得ることができます。
DTMとDSMの差分を求めることで、樹冠高(Digital Crown Height Model,DCHM)を求めることができます。これを利用することで林分材積の推定等の解析が可能になります。
皆伐施業後(DCHM)
皆伐施業後(DCHM)
● ドローン飛行における注意
ドローンの利用に当たっては、無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルールを遵守する必要があります。(http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html)