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活用事例レポート

森林クラウドを山地災害対策で使う!

2017.5.16

国土保全機能の一層の発揮のためには、適正な保安林配備等が重要です。

4コマ_20170516

● 木材だけじゃない、森林の多面的機能とは?

森林は、私たちが安全に健康に生活するための重要な機能を果たしています。

2001年には、日本学術会議の答申により、森林は8項目35要素にもおよぶ「多面的な機能」を有しているとされました。

機能表_改2

(出所)日本学術会議答申(2001年)

● 森林利用と森林保全とのバランスを取るには?

木材の成熟化による、バイオマスをはじめとした再生可能エネルギー需要の増加により、全国で森林利用が進んでいます。一方で、全国で集中豪雨や地震等による山地災害が多発していることから、森林の持つ多面的機能の内、「土砂災害防止機能/土壌保全機能」や「水源涵養機能」といった環境的要素の重要性がより一層増しています。

日本では、水源の涵養、土砂の崩壊その他の災害の防備等を達成するため、1897年(明治30年)の森林法が制定された際に「保安林」制度が定められ、120年にわたって運用されてきました。

保安林は、その機能を発揮するため、指定された保安林の利用等に関しては「立木の伐採」、「土地の形質変更」、「植生の義務」といった制限が掛けられています。

そのため、今後ますます重要性が増す木材生産等の過度な制限を避けつつ、山地災害等を抑制するためには、保安林等をより一層適正に配置していくことが重要になってきます。

<参考>保安林制度の概要(林野庁)

● 保安林を適正に配置するためには?

保安林の適正配置を検討する場合、災害危険箇所や立地条件、林種等の森林の状況、また下流域における水利用の実態や土壌・表層地質等の状態等、広範囲かつ多様なデータが必要となります。

また、近年行われているレーザー測量の活用により、これまで広範囲で把握することが困難であった微地形情報が利用できるようになってきています。(参考:CS立体図を使った路網配置計画の検討)(参考:共有型森林クラウドの活用~森林作業道計画編~

大容量のデータを一元的に管理することを得意し、またIoTとの親和性も高い技術である「森林クラウド」を利用することで、例えば、センサーによるリアルタイムな状況把握と詳細なデータ取得を行い、より科学的な保安林の配置等につなげるといった使い方が考えられます。

 

森林クラウドの特徴である、「大容量データの一元管理」や「リアルタイム性」を活かして、より効果的な山地災害対策に役立てていきましょう。