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活用事例レポート

スマホでお手軽ナラ枯れ予測!?

2016.6.6

ナラ枯れの写真を送ってナラ枯れ対策!

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 ●  ナラ枯れってなに?

ナラ枯れとは、ナラ・シイ・カシ類の樹木がカシノナガキクイムシを媒介してナラ菌に感染することで起こる樹木の伝染病です。感染した樹木は葉が赤く変色し、やがて枯れてしまいます。
平成27年度は約7万6千m3の被害が発生しており(林野庁HP)、森林の多面的機能の低下や、枯死木の落枝・倒木による事故、景観の悪化などが問題となっています。

● リアルタイム被害予測システム

スマートフォンなどGPS機能つきの携帯電話で撮った写真には、位置や日時といった情報も含まれます。
この機能を活用して、ナラ枯れが今どこで起こっているのか、また今後どこで起こりやすいのかをリアルタイムに予測するシステムが実証試験されています(山中・近藤 2014)。
ナラ枯れを発見したら、その写真を撮影し、専用のサーバーへメール送信します。すると、自動で被害位置が地図に記録され、その情報に基づいてナラ枯れの被害予測が生成されます。
予測結果は、インターネットを通してナラ枯れ防除担当者や行政の間でリアルタイムに共有することができます。

● 迅速な被害対策が可能に!?

このシステムが実現すれば、最新の情報に基づいた、効率的かつ迅速な被害対策が可能となります。
また、こうした技術はナラ枯れなど病虫害だけでなく獣害や外来種駆除といった問題にも応用できると考えられます。
将来、森林クラウドと組み合わせて使うこともできるかもしれません。

 

参考:ナラ枯れ被害対策マニュアル改訂版(平成27年3月版)
(http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/pdf/naragaremanyual2.pdf)
「平成27年度ナラ枯れ被害量(速報値)」について (林野庁)
(http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/pdf/h27naragaredata2.pdf)
山中・近藤 “最新 ICT を活用したナラ枯れリアルタイム被害発生予測システムの開発 (特集 ナラ枯れ研究最前線).” 森林防疫 63.6 (2014): 36-39.
「携帯電話を活用した病虫害広域調査システムの開発」(農業環境技術研究所 平成26年度研究成果情報 第31集)

最新技術でナラ枯れを食い止めよう!